ロレックスは、世界初の完全防水仕様であるオイスターケース、自動巻ローターメカニズムとして身につけていれば針が止まることのないパーペチュアル機構、そして日付が瞬時に午前0時に切り替えられるデイトジャストという、いわゆる3大発明によって、今の地位を築きました。もちろん、これはロレックスのみならず、当時信頼性や耐久性の上で問題があると思われていた腕時計そのものに大きな影響を与え、その後の業界全体の発展につながったといわれています。ファッションとしての腕時計に、実用性や機能性にいち早く注目し、それを世界に先駆けて製品化したという点が、現在でも続くロレックス人気の要素の一つとなっています。

 とはいえ、もちろんこれらの発明は素晴らしいものとはいえ、それに甘んじるロレックスではありません。顧客の要望や、業界全体の動きを敏感に察知し、新たな技術を開発したり、3大発明をさらによりよくブラッシュアップしたりしながら、さらに実用性に磨きをかけているのです。たとえば、2015年から発売された、キャリバー3235は、パワーリザーブが延長されて約70時間になりました。簡単に言うとゼンマイが最大に巻かれた状態から70時間、身につけていなくても時計が動き続けるということです。土日は休日で腕時計を身につけなかったとしても月曜の朝には何の問題もなくそのまま身につけて出勤する、ということも可能になったのです。現在では、ゼンマイを巻く必要のないクォーツ式の時計が多くの人々に一般化していますが、一方でクォーツ式は壊れやすい面があります。機械式時計を主力商品とするロレックスはゼンマイを巻く煩雑さを、技術力でカバーしているといえるでしょう。