優れた実用性・機能性に加え、ロレックスの人気の要素の一つになっているのは、頻繁に新しいモデルを製作するのではなく、あくまでも同じモデルを改良し続けているというデザインの一貫性があることです。現在でも人気の高いモデル、サブマリーナデイトを例にとってみます。このモデルはもともと潜水を行うようなプロに向けてつくられていたサブマリーナを原形としています。そのため、日付表示は対象者にとって重要ではないので存在していませんでした。しかし、サブマリーナが持つデザイン性に惹かれ、一般の人々にも受け入れられ購入されるようになっていったので、サブマリーナに日付表示がつけられたサブマリーナデイトが登場することとなります。このように誕生したサブマリーナデイトは、日付を3時の位置に置き、日付が拡大してみられるようなサイクロップレンズがとりつけられており時針・分針・秒針の3針を基本とするデザインで、これが現在でも基本的に踏襲されています。

この例から分かるように、デザインを大きく変えたり新しいモデルとして販売したりしないことで、伝統と歴史に箔がつき、その認知度を高くすることにつながっているのです。例えば若い頃はロレックスに興味をもっていたけれど数十年経った今はそこまでの興味はない、という人がいたとしても、他人が身につけているロレックスを見ただけで、そのモデルは何なのかある程度判別できるということとなります。

また、ロレックスの腕時計は製造年が古かったとしても高価買取の対象になり得るという理由も、流行に左右されず、古くならない一貫性のあるデザインが、腕時計の価値を下げないというところにもありそうです。